街中を歩いていると「骨盤矯正」の看板やのぼりをよく見かけます。2000年頃と比べても明らかに数が違うのが実感できますね。雑誌にも良く取り上げられていますし、整体院やカイロプラクティックなどで産後の方にも人気の施術メニューとなっています。
この骨盤矯正とは文字通り骨盤を矯正することです。こ当サイトでは骨盤に関する様々な情報をまとめてお伝えする事で、骨盤の関節や筋肉の状態を整えて健康的な美しい身体を保つためのお手伝いをしたいと思います。
骨盤の基礎知識
骨盤は左右の寛骨(かんこつ)と中央にある仙骨(せんこつ)という3つの骨で骨盤輪という輪っかの構造をつくる、身体の要になる大切なパーツです。上半身を支えるだけでなく、美容や健康のためにも重要な役割を果たしています。
- 骨盤の中には女性が赤ちゃんを授かるためにひつような子宮や卵巣が収まっています。
- 直立歩行をする人間の骨格の中心にあり、四肢の動きを含めた身体全体の動きを支えています。
- 骨盤は大きな神経や血管が分岐する通り道になっています。
骨盤のゆがみ
大切な役割を果たしている骨盤がゆがんでしまうと、身体に悪い影響を与えてしまいます。このゆがみにも下記のようなパターンがあり、腰痛やポッコリお腹など見た目上の問題が起こるのです。
骨盤の前傾
これは妊婦さんや産後の女性によく見られます。骨盤が前に傾きすぎて、腰椎の前弯が強くなりすぎた状態です。おへそが前に出てお尻が後に突き出てしまいますのでポッコリお腹が目立ってしまいます。腹筋が弱く、背筋が強すぎると腰が反ってしまい、腰痛も起こりやすいですね。いわゆる「骨盤の開き」がこれです。O脚もこの骨盤前傾によって引き起こされたり悪化したりします。
骨盤の後傾
椅子やソファーにいつも浅く腰かけていませんか?だらしない座り方がくせになっていると腰が丸まっちゃいますよ~。腰椎の前弯が少なくなってフラットな腰の人は、骨盤が後ろに傾いて恥骨が前に出た状態になります。腰のバネも効かないので、上半身の負担がかかりすぎて腰痛が起こりやすいのが困りものです。
骨盤のねじれ
いつも同じ脚を上にして脚組みをしていませんか?脚の付け根にある股関節の動きと骨盤のねじれる動きは連動しています。例えばいつも右脚を上にして脚を組んでいると、右脚が短くなるようなねじれが骨盤に生じてしまうのです。見た目上、右脚がいつも短くなっていると、骨盤が右に傾いてしまい上半身が右に傾きます。傾いた上半身を調整するため、反対側の筋肉がいつも固くなって慢性的な腰痛や背中の痛みにつながります。
骨盤の傾き
後ろから左右の骨盤の高さをチェックしてみると左右どちらかに傾いている事がよくあります。骨盤のねじれのため傾いている事も多いですが、例えば右の腰の筋肉が固くなって右の骨盤を引っ張ってしまっている場合もあります。時折目にするのは、左右どちらかの大腿骨や脛の骨が生まれつき短かったり、大ケガをして曲がってしまい、物理的に脚の長さが違うため骨盤が傾いているケースです。
身体の様々な不調
このように骨盤のゆがみにもパターンがあり、いろいろな症状があらわれます。
筋肉痛:骨盤のゆがみから来る前後左右のバランスの悪さを調整しようとして筋肉に力が入りっぱなしになると、慢性的な筋肉のコリからくる痛みが起こります。骨盤周りの関節は動きも大きく、上半身の負担がかかるため、固くて痛い筋肉に力が入ったり伸ばされたりするだけで痛いのです。
関節痛:骨盤周りの関節としては、恥骨結合・左右の仙腸関節・腰椎と仙骨の間の腰仙関節・股関節があります。こうした関節をカバーしている靭帯にも骨盤のゆがみから来る負担がかかりますので、痛みに敏感な靭帯から痛みを感じやすくなります。股関節周りの筋肉が固くなっていて、ストレッチしようとすると結構痛がる方も多いですね。
内臓の不調:骨盤のゆがみのせいで内臓(小腸・大腸)の動きが悪くていつもお腹の調子が悪い方で便秘や下痢に悩まされている方が目立ちます。女性の場合は子宮や卵巣の働きに影響が出ます。子宮や卵巣は骨盤の中にただ単に収まっている訳ではなく、靭帯で骨盤につなぎ止められています。月経時や排卵時は子宮・卵巣が収縮して動くため、骨盤につながるこの靭帯が引っ張られてしまい、生理痛としての腰痛も起こってしまうのです。骨盤のゆがみが強いとそれだけ腰痛もひどくなりがちです。生理痛がひどい方は骨盤のゆがみをチェックしておきましょう。もちろん子宮内膜症などの疾患が関係している可能性もあります。
脚のむくみ:骨盤と腰椎の境目辺りに大動脈・大静脈の分岐・合流点があります。骨盤の前傾が強い人(特に妊婦さん)はこの太い血管の流れが悪くなるようで、脚のむくみやこむら返りが起こりやすくなります。毛細血管から染み出たリンパ液は両脚から骨盤の中を通って最終的に1本の太いリンパ管(胸管)にまとめられます。骨盤の前傾が強い人、腹圧が弱い人、脚の筋肉が弱い人はリンパの流れが弱くなってしまい、脚のむくみもひどくなりがちです。静脈血が脚に溜まってしまうと、静脈瘤(じょうみゃくりゅう)といって青い静脈がふくらはぎにボコボコと浮き上がって見えてしまう症状も起こりやすくなりますし、体温の移動も効率が低下してつま先など身体の末梢が冷えやすくなります。
神経痛:良くあるのが座骨神経痛で、お尻~太腿の裏側に痛みやしびれ感が生じます。例えば椎間板ヘルニアでも座骨神経痛が起こりますが、骨盤のゆがみのため筋肉、特に梨状筋がこり固まってしまうとお尻の部分で坐骨神経を圧迫する状態になってしまいます。椎間板ヘルニア発生直後は腰の付け根に激痛が走りますが、固くなった梨状筋に坐骨神経が圧迫して生じる梨状筋症候群の場合はお尻の辺りから太ももの裏側に違和感・軽いしびれ感が発生します。激痛ではないものの、立ち上がる瞬間や階段の上り下りなどで力が入る時に痛みが強く感じられることが多いでしょう。
骨盤のゆがみが慢性化するとこうした症状も慢性化する可能性が高くなります。
骨盤矯正を受けることでゆがみの慢性化を避けて健康的な美しい身体を保つ事ができるようになるのと同時に、動きやすい身体を維持するということは精神的にも生き生きとした状態を維持できる事にもつながります。腰が痛かったり、内臓の調子が悪かったりするとイライラしてきますよね。
このサイトで骨盤矯正について調べてみましょう。内容は随時更新中です。また、おすすめの治療院も紹介していますので参考にしてみてくださいね。